- 2017年08月13日
脂漏性皮膚炎とは?
原因の分からない肌のかゆみや赤いブツブツ。ニキビのようにも見えるけれど、かゆみがあって薬も効かない…。このような悩みを抱える人が増えています。皮膚科を何件か受診したあとにようやく脂漏性皮膚炎と診断され、治療を始めるころには症状が悪化してしまっていた…ということも。ここでは30~40代の女性にも多い、脂漏性皮膚炎について詳しく説明していきます。
脂漏性皮膚炎とは
皮脂の分泌が多い顔や首、胸、頭皮などの皮膚が赤くかぶれ、小さいぶつぶつが広範囲にわたってできるのが脂漏性皮膚炎です。かゆみを伴うこともあり、頭皮の場合、フケのようなかたまりとなって皮膚がはがれることもあります。
症状が出るのは鼻の脇や眉間、耳の後ろや頭皮など皮脂の分泌が多い部分。初期段階では単なる肌荒れのようなカサカサからはじまり、やがてニキビのようなぶつぶつができて広範囲に赤みが広まるという経緯をたどります。自然に治るということはなく、早い段階で皮膚科の診察を受けて正しい治療を始めるのが効果的です。
脂漏性皮膚炎が起こる原因とは
その名の通り、皮脂の分泌が過剰になることで起こります。肌には表皮ブドウ球菌、アクネ菌、黄色ブドウ球菌マラセチア菌といった常在菌が存在しています。
表皮ブドウ球菌は天然の保湿剤とも呼ばれ健康な肌を維持するのに欠かせない善玉菌です。これに対し、アクネ菌はニキビ、黄色ブドウ球菌はアトピーの原因などにもなり得る菌。そしてマラセチア菌が脂漏性皮膚炎の発症の原因となることが分かっています。
マラセチア菌は皮脂をエサにしているカビの一種で、皮脂の分泌が増えるとマラセチア菌も増えることに。このマラセチア菌と皮脂がマラセチア菌によって分解されるときにできる遊離脂肪酸などが肌に炎症を起こし、脂漏性皮膚炎となって現れると言われています。
脂漏性皮膚炎の治療方法
まずは炎症を抑えるために、弱めのステロイドを使用して症状を抑えていきます。といっても、ここが一番難しいポイント。症状や患者さんの皮膚の厚さなどに合わせた強さ薬を選ぶ必要があるのですが、安易に強いステロイドを処方する医師や、使い方をきちんと説明しない医師もいるようです。
ステロイドは塗る量や回数、使用する期間など医師の正しい指導の下で使用すれば、副作用はほとんどありません。「ステロイドは絶対に使いたくない」という人もいますが、早めに治療を始めれば弱いステロイドを短期間使用するだけで済みます。ステロイドを使いたくないからといって症状を悪化、長引かせてしまいかえって治りづらくなる…というのでは元も子もないですよね。
もちろん、ステロイドを症状がおさまっているのに漫然と使い続けるのはNG。正しい使い方をレクチャーしてもらうためにも、脂漏性皮膚炎治療の症例が多いクリニック、病院を探す必要があると言えるでしょう。
脂漏性皮膚炎が起きたときのお手入れ
「どうして皮脂の分泌が過剰になるの?」と感じた方も多いでしょう。皮脂の量が増える理由はホルモンバランスの変化、ストレス、ビタミンBの不足、不規則な生活などいろいろあります。こうした原因を見きわめて生活習慣を改善する必要がありますが、並行して正しい方法で肌のお手入れをする必要があります。
・セラミドを補うケア
肌は皮脂と細胞間脂質、天然保湿因子の3つで守られています。このうち、皮脂が過剰になっているということは、他の2つである細胞間脂質と天然保湿因子が減っていることが考えられるのです。
細胞間脂質であるセラミドや天然保湿因子(NMF)であるアミノ酸などを補う化粧水や保湿クリームなどでていねいに保湿し、皮脂の分泌を抑えるようにしましょう。肌がしっかり潤えば、バリア機能も復活し、刺激に強い丈夫で健康な肌を取り戻すことができます。
ちなみにネットで人気の高い皮膚科の保湿剤、ヘパリン類似物質を配合したヒルドイドやビーソフテンは脂漏性皮膚炎の肌には不向き。皮膚科で処方されることもありますが、あまりおすすめできません。使ってみて刺激を感じたり、症状が悪化したらすぐに使用をやめるようにしてください。
脂漏性皮膚炎は化粧品では治りません!
よく「脂漏性皮膚炎が治った!」などという文句で宣伝している化粧品がありますが、脂漏性皮膚炎が化粧品だけで治ることはありません。薬で症状を抑えたあと、化粧品で健康な肌を作るサポートをすることはできますが、病気を治すことはできないのです。脂漏性皮膚炎の改善に役立つと言われる化粧品でも、良心的なメーカーではそのことについてきちんと説明しています。
生活習慣の改善も大事!
30~40代の女性に多い脂漏性皮膚炎。知らず知らずのうちにストレスや不規則な生活によってホルモンバランスを乱れ、それが原因となって発症する例が多いようです。顔の赤みやかゆみ、ぶつぶつは女性にとって大きなストレスになるもの。症状が悪化すればするほど、ストレスが増えてさらに悪化するという負のスパイラルになってしまうこともあります。「おかしいな」と思ったら、早めに皮膚科を受診するようにしてくださいね。
脂漏性皮膚炎に限らず慢性的な皮膚の病気は利き手側の方が症状が重いと言われています。これはついつい手で触ってしまうこととも関係しているはず。肌トラブルが気になるのは理解できますが、肌に触るのは症状を悪化、長引かせることにつながります。肌にはできるだけ触れないようにし、1日に何度も鏡を除きこむのもやめましょう。
「脂漏性皮膚炎は治すのが難しい」と言われて落ち込んでしまう人もいますが、きれいに治っている人もたくさんいます。まずは自分の肌を信じてあげてくださいね。
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