小麦アレルギーは大人でも突然発症する恐れアリ。
近年、大人になってから食品アレルギーを発症する人が増えています。そのひとつが小麦アレルギーです。かつて和食中心だった日本では少なかったアレルギーですが、パンやパスタといった主食に代わる食品をはじめとする小麦製品の消費が増えるにつれ、発症する人も増えているのだそう。ここでは小麦アレルギーがどんなものか詳しくお話していきます。
小麦アレルギーとは
小麦に含まれるたんぱく質に免疫が過剰反応することで起こる症状が小麦アレルギーです。症状はじんましんやかゆみのような皮膚に現れる症状、目の充血、頭痛、咳、吐き気、腹痛などが代表的なもので、重症になると「アナフィラキシー症状」という血液の低下や呼吸困難などの命にかかわる症状を引き起こすこともあります。
小麦アレルギーには食べてからすぐに症状があらわれる「即時型アレルギー」と食べてから数日後に現れる「遅延型アレルギー」の二種類があります。遅延型アレルギーの場合、頭痛やめまい、肩こり、気分の落ち込みなどアレルギー症状とは分かりにくい症状がいくつも現れるので単なる体の不調として気がつかないことも多いようです。
アナフィラキシー症状
小麦アレルギーによって起こる症状のなかで特に注意が必要なものが、アナフィラキシー症状です。アナフィラキシー症状を起こすアレルギーは、即時型アレルギーで食べてから2時間以内に症状が出るのが一般的。また、アナフィラキシー症状のなかには「運動誘発性アナフィラキシー」といって、アレルゲンとなる物質を摂取したあとに、運動をすることで発症するタイプもあります。
運動といってもスポーツをしなければいいというものでなく、例えば「パスタを食べたあと、駅まで歩いたらアナフィラキシー症状を起こした」など、軽い運動でも発症のきっかけになってしまうことがあります。
<エピペンとは>
小麦アレルギーに限らず、アレルギーによってアナフィラキシー症状を引き起こしたことのある患者さんには、「エピペン」と呼ばれる補助療薬が処方されます。これはペンのような形をした注射タイプのお薬。といっても、アナフィラキシー症状を治すことができるわけではなく、あくまで診察を受けるための時間を確保するためのものと考える必要があります。
エピペンを使用したら必ず医療機関で診察を受けるか、救急車を呼ばなくてはなりません。いってみれば症状を10~15分抑える「時間稼ぎ」的なもの。衣服の上からでも打つことができ、副作用も小さいので「迷ったら打つ」よう指導されています。
小麦アレルギーかな?と思ったら、アレルギー科へ
食品アレルギーは、子どものころに発症して成長するにつれて症状が出なくなるものもあります。ただし、小麦アレルギーは大人になってから発症する人も少なくないのです。「大人になってからアレルギーが出るなんておかしい」と考えて、医療機関の診察が遅れることがないよう注意しましょう。
小麦はパンやパスタといった分かりやすい食品から、カレールーや調味料、ビールなどにも含まれています。人によって「パンはだめだけどビールは大丈夫」という人もいれば、しょう油もダメという人もいます。何がダメで何が大丈夫なのかは検査を受け、医師と相談しながら理解し対策を考えていく必要があります。
何かを食べた後にじんましんが出たり、咳が止まらなくなったりしたら、アレルゲンを特定する検査ができる病院の診察を受けましょう。一般的な病院ではアレルギーに関する知識を持たない医師もいるので、症状を抑える薬を処方されて飲んでいる間に悪化してしまう恐れもあります。
小麦の代替食品は増えている!
小麦アレルギーであることがわかると、「小麦粉が使えないなんて…」と落ち込んでしまう方もいるようです。でも、幸い日本はお米を食べる国。米粉で作られたお好み焼きや麺類など少しずつ、小麦アレルギーを持つ方のための食品が増えています。実際に大人になってから小麦アレルギーを発症した筆者の知人は米粉でお好み焼きや餃子の皮を作っていろいろな料理を楽しんでいると教えてくれました。
海外では日本より小麦アレルギーの患者さんが多い?
日本よりも小麦を食べる割合が多い諸外国ではどのように対処しているのでしょうか。例えば、パスタを毎日食べるイタリア。やはり大人なってから小麦アレルギーやセリアック症を発症する人が多いため、一般的なスーパーでもsenza glutine(グルテンフリー)の食材が売られています。
例えば、イタリアコープ(生協)ではグルテンフリーのパウンドケーキやビスケット、パン粉、パスタ類などを用意。パスタの国らしく、パスタの形状もスパゲッティやペンネ、フジッリなどのショートパスタも。また、家庭でパンやピザを焼くとき用の粉(米粉とコーン粉)もあります。
海外に旅行する機会のある方は、スーパーの健康食品コーナーをのぞいてみてはいかがでしょうか?
まとめ
大人になってから発症する人が多い小麦アレルギー。おかしいな?と思ったら、早めにアレルギー科のある医療機関を受診するようにしましょう。できればすぐに検査をしてくれるところを探して、早めに対策をとるようにしたいものです。
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